離婚で不動産を売却したい方へローン残りはどうする?主な対応策と注意点をご紹介

不動産売却

稲葉 圭生介

筆者 稲葉 圭生介

不動産キャリア8年

初めての不動産購入となると色々な分からないことが出てくるとおもいます。  
お客様の感じる疑問や不明な事に一緒になって考えながら最後までサポートさせて頂きます。

「離婚を考えているが、まだ住宅ローンが残っている持ち家をどうすればよいか分からない」という悩みは、決して珍しいものではありません。離婚をきっかけに不動産をどう処理するかは、人生を左右する重要な分岐点です。本記事では、離婚時に住宅ローンが残る持ち家についての現状や確認すべき点、選択肢や手続き、注意すべき対応策まで分かりやすく解説します。複雑に感じがちな問題も、順序だてて考えればきっと正しい判断ができます。まずは、現状を正確に把握することから始めてみましょう。


離婚時に住宅ローンが残っている持ち家の基本的な現状と確認事項

離婚を機に自宅の処理を検討する際、住宅ローンが残っているケースは決して珍しくありません。多くの場合、ご夫婦で長期間にわたり返済を行ってきた結果、ローンが完済されていない状況が存在します。こうした現状をまず踏まえて、冷静に対応策を考えることが大切です。

次に重要なのは、ローン残高と不動産の評価額を比較し、「アンダーローン(売却価格がローン残高を上回る状態)」か「オーバーローン(売却価格がローン残高を下回り、売却しても完済できない状態)」かを判断することです。アンダーローンの場合には、売却してローンを完済し、余剰金を財産分与に回すことが可能です。一方でオーバーローンの場合には、売却しても債務が残るため、対応方法に工夫が必要になります 。

まず確認すべき事項として、次の点が挙げられます。ローン残高は「償還表」や「残高証明書」で把握できます。不動産の名義(共有名義か単独名義か)、住宅ローンの契約形態(単独債務、ペアローン、連帯保証人の有無など)については、売買契約書や登記簿謄本(登記事項証明書)などで明らかにしましょう。これらは今後の選択肢を検討する上で不可欠な情報となります 。

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確認事項具体的内容なぜ必要か
ローン残高償還表、残高証明書で確認売却時に完済できるか判断
不動産評価額査定による市場価値の確認アンダー/オーバーの判断の基礎
名義と契約形態登記簿・ローン契約書で確認誰が売却可能か/返済義務は誰かの判断

ローンが残っている場合の主な3つの選択肢とその流れ

離婚時に住宅ローンが残っている場合、状況に応じて主に以下の三つの方法が考えられます。

選択肢 概要 主な流れ
家を売却してローンを完済し清算 売却代金でローンを完済し、残った金額を財産分与 査定→売却契約→決済でローン完済→抵当権抹消→清算
どちらか一人が取得し代償金で清算 一方が不動産取得し、他方に代償金を支払い財産分与 評価→代償金額決定→名義・ローン引継ぎ or 借り換え調整
共有のまま維持、あるいは賃貸に出す 売却せず共有継続、もしくは賃貸収入でローン負担 合意→運用方針決定→賃貸開始または名義共有のまま維持


まず、「家を売却してローンを完済し清算する方法」では、売却代金で住宅ローンをきちんと返済し、その後に登記上の抵当権を抹消します。残金があればそれを財産分与として分ける流れです。売却の流れとしては、不動産の査定、売買契約の締結、決済とローン完済、抵当権の抹消、清算などの手続きが順序立てて進められます。これは一般的なアンダーローンに該当する場合にとくに有効です(売却価格がローン残高を上回る状態)。

次に、「どちらかが家を取得し代償金などで清算する方法」では、夫婦間で財産分与の取り決めを行います。一方が家を取得し、他方に代償金を支払って平等に財産を分与します。評価額が重要となり、ローンの引き継ぎや借り換えが発生する場合は金融機関との調整が必要になります。特に、住宅ローン債務者と取得者が異なる場合には、金融機関との交渉が不可欠です。

最後に、「共有のまま継続、あるいは賃貸として運用する方法」も選択肢としてあります。売却せずに共有状態を維持し、もしくは賃貸に出して賃料収入でローン返済を続けるという方法です。これにより売却を避けたい場合や、将来的に市場状況が好転すると予想される場合に検討されます。共有名義のまま運用する際は、運用方針や収益分配などに関して事前に合意しておくことが重要です。

オーバーローンのときに検討すべき任意売却などの対応策

まず「オーバーローン」とは、売却価格が住宅ローンの残債より低く、売ったとしても完済できない状態です。こうした場合、売却が進まないだけでなく、抵当権を抹消できず、金融機関から一括返済を求められる可能性があります。ですから、まずは現在の住宅ローン残高と不動産の査定額を正確に把握することが重要です。これにより、「負債がどのくらいあるのか」「売却にどれだけ足りないのか」が明確になります。

そして、オーバーローン状態で売却を検討する際に有力な選択肢となるのが「任意売却」です。任意売却とは、金融機関の同意を得て、住宅ローンが残っている状態でも不動産を市場で売却できる仕組みです。競売と異なり、通常の売却と同じように買主を探せるため、より高値で売れる可能性があり、返済に充てられる資金を増やせる点が大きなメリットです。

また、任意売却のメリットとデメリットを整理した表は以下の通りです。

今すぐのご検討でなくても、まずはご相談ください。

来店予約はいつでも可能です。

0120-900-346
受付時間:AM9:30~PM19:30 定休日:水曜日

メリットデメリット
市場価格に近い価格で売却できる可能性がある金融機関との交渉が必要で手間がかかる
競売よりプライバシーが保たれやすい信用情報に記録され、将来のローン審査に影響する
競売より柔軟に引っ越し時期を設定できる売却価格が市場より低くなる傾向がある

このように、任意売却は「競売より高価格で売れる」「プライバシーが守られる」「引越し時期の調整が可能」といった利点がある一方で、「金融機関との調整が煩雑」「信用情報への影響」「売却価格が低くなる可能性」などの注意点もあります。

最後に、金融機関との交渉の流れと、ローン残債が残るリスクへの備えについて整理します。まず、金融機関に事情と現状を説明し、任意売却の承認を得ます。売却後は、残るローンに対して返済猶予や分割返済の計画を相談することができます。また、交渉の過程で、離婚協議書や調停調書に「誰がどの割合で残債を負担するか」を明記しておくことが、後のトラブル回避に有効です。


離婚と住宅ローン処理にまつわる手続き上の注意点と段取り

離婚に伴い住宅ローンが残っている自宅をどう扱うかは、多くの方が悩む点です。ここでは、適切な段取りと注意点をわかりやすく整理してご紹介します。

ステップ内容留意点
① 査定・相場確認まず不動産の現在の価格や市場価値を把握します。信頼できる評価手法で最新の相場を確認してください。
② 専門家相談司法書士や弁護士、金融機関に相談し、適切な手続や法的リスクを確認します。自力判断は避け、専門的アドバイスを得ることが大切です。
③ 手続の実行財産分与や登記変更、連帯保証人の処理などを進めます。期限や法改正の影響、登記手続きに関する注意が必要です。

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まず第一に、不動産評価を行ったうえで離婚協議に臨むことが重要です。市場価格での査定や相場情報によって、どのような選択肢が現実的か見えてきます。次に、司法書士や弁護士だけでなく、金融機関にも早めに相談することで、名義変更やローンの継続などに関する条件やリスクを確認することができます。こうした専門家への相談は、自分たちだけで進めてしまうミスや見落としを防ぐうえで効果的です。

また、財産分与の請求には 時効があり、従来は離婚成立から2年以内の請求が必要でしたが、法改正により令和5年(2024年)5月以降は5年に延長されましたので、ご注意ください。

名義変更や登記の手続きでは、登記簿上の所有者が変更されていない場合、元配偶者による売却などのリスクがあります。特に住宅ローンが残っている場合は金融機関への事前相談が不可欠です。住宅ローン契約の名義変更は原則としてできませんので、借り換えや完済等の方法を検討する必要があります。連帯保証人についても同様に、変更には審査が伴うことがあります。

以上のように、査定・専門家相談・手続実行を順序立てて進め、法改正による期限や登記上のリスクにも配慮しながら進めることが、離婚と住宅ローン処理における適切な段取りと言えます。


まとめ

離婚時に住宅ローンが残っている不動産の取扱いは、誰にとっても大きな悩みとなるものです。まずは現状の正確な把握と、ローンの残高や名義、抵当権の有無をしっかり確認することが重要です。その上で、家を売却して清算する方法や、どちらか一方が取得して代償金で精算する方法など、状況に応じた選択肢があります。もしもローンが売却額を上回る場合は、任意売却など特別な対応策を早めに検討しましょう。手続きや法的な注意点を冷静に順序立てて確認し、後悔しない選択を目指すことが大切です。

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執筆者紹介

稲葉 圭生介

イナバ ケイスケ

キャリア8年

保有資格

  • 宅地建物取引士
  • 損害保険募集人

得意エリア 藤岡市、上里町、神川町

出身地 京都府宮津市

趣 味 サッカー鑑賞・寝ること

長 所 前職が金融機関だった知識を活かし、安心していただけるご提案をいたします。

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