
マイホームの購入タイミングはいつが適切?金利と資材の動向から判断軸を整理
イホームを購入するなら、いったい今が良いタイミングなのか、それとも数年待った方が安心なのか。
最近は新設住宅着工件数が低水準で推移し、同時に金利や資材の価格も上昇しているため、判断が難しいと感じている方は少なくありません。
しかし、この状況を正しく整理すると、今の市況だからこそ見えてくるメリットと注意点が具体的に見えてきます。
本記事では、新設住宅着工件数の動きや金利の影響、さらに資材高騰が建築費に与えるインパクトを踏まえながら、マイホーム購入タイミングを考えるうえで押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
これから数年を見据えた計画づくりのヒントとして、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

新設住宅着工件数の低水準と市況の今
国土交通省の統計によると、新設住宅着工戸数は長期的に減少傾向が続き、2000年代前半と比べて総戸数はおおむね3割前後縮小しています。

直近では年間80万戸前後で推移しており、過去の水準と比べると「低水準で横ばい」に近い状態です。
内訳を見ると、持家・分譲住宅が緩やかに減少する一方で、貸家は水準を保ちながら微減傾向という構図が続いています。
このように総量が減る中でも利用関係別の動きには違いがあることを、まず押さえておくことが大切です。
利用関係別にみると、持家は2010年代前半には年間30万戸台で推移していたところ、直近では20万戸台前半まで縮小しています。
分譲住宅も同様に、20万戸台半ばから20万戸台前半へと緩やかな減少傾向です。
一方、貸家は30万戸台後半の水準を維持しつつ、近年はわずかに減少している程度で、持家や分譲と比べると下げ幅は小さい状況です。
全体としては総戸数の減少が続きながらも、貸家が一定のボリュームを支えていることが、新設住宅市場の現在の特徴といえます。
こうした着工戸数の低下の背景には、少子高齢化による人口減少と世帯数の伸びの鈍化があります。
総務省の人口推計では、生産年齢人口の減少が続いており、将来の住宅需要の縮小が統計上も示されています。
また、人手不足や建築費の上昇により、供給側が新規着工を抑える動きもみられます。
さらに、物価・金利の上昇を受けて、新築購入を先送りする検討者が一定数いることも、持家や分譲の着工を押し下げる一因となっています。
| 区分 | 直近の主な傾向 | マイホーム検討への示唆 |
|---|---|---|
| 総戸数 | 長期的な減少傾向 | 新築供給量の縮小 |
| 持家・分譲 | 20万戸台前半へ縮小 | 選べる新築の母数減少 |
| 貸家 | 30万戸台後半で微減 | 賃貸選好の根強い需要 |
新設住宅着工戸数が減少すると、供給される新築住宅の絶対数が減り、エリアや条件によっては「選べる物件の幅」が狭まりやすくなります。
特に持家や分譲住宅の着工が縮小しているため、人気の条件が重なる物件は、従来以上に競争が高まりやすい面があります。
一方で、市況全体が慎重姿勢にある場面では、売り手側が価格や条件交渉に柔軟になるケースも考えられます。
このように、着工件数の低水準は「物件数の減少」と「交渉余地の広がり」という両面の影響を持つ点を、客観的に理解しておくことが重要です。

金利上昇局面でのマイホーム購入タイミング
近年は長く続いた超低金利環境からの転換点にあり、住宅ローン金利も徐々に上昇傾向が意識される局面です。
全期間固定型の代表例である公的な長期固定金利は、過去の最も低い水準と比べるとおおむね1%程度高い水準で推移しており、金利水準が家計に与える影響が大きくなっています。
一方で、短期金利に連動する変動金利は依然として低位にありますが、将来の政策金利の動きしだいでは返済額が増える可能性があります。
そのため、現在の金利水準と、今後想定される変動の幅を具体的な数字で把握しながら、無理のない借入額と金利タイプを検討することが重要です。
住宅ローンの金利タイプは大きく、変動金利、一定期間のみ固定される固定期間選択型、そして完済まで同じ金利が続く全期間固定型の3つに分かれます。
一般的に、借入当初の金利は変動金利が最も低く、次いで固定期間選択型、全期間固定型の順に高くなる傾向があります。
例えば借入額3,000万円・返済期間35年・元利均等返済の場合、金利1%なら毎月返済額はおおよそ8万円台前半、2%なら9万円台半ば、3%なら10万円台後半といった水準になり、金利が1%上がるごとに毎月の負担が数万円単位で増えるイメージになります。
このように、金利水準の違いは、借入可能額だけでなく、将来にわたる家計のゆとりにも直結します。
では、金利が上昇・高止まりする局面で「今買う」のと「数年待つ」のでは、どのような違いが生じるのでしょうか。
仮に同じ3,000万円を35年で借りる場合、金利2%で今借りるケースと、数年後に金利3%で借りるケースとを比べると、総返済額は後者の方が数百万円単位で多くなります。
一方で、待っている間に自己資金を増やすことができれば、将来の借入額を抑えられ、結果として総返済額の増加をある程度相殺できる可能性もあります。
つまり、金利上昇リスクと、頭金や貯蓄を積み増すメリットとを比較し、家計全体のバランスで判断することが大切です。
| 項目 | 今買う場合 | 数年待つ場合 |
|---|---|---|
| 想定金利水準 | 現状に近い金利 | 上昇後の金利 |
| 毎月返済額 | 現状水準の返済額 | 金利上昇後の返済額 |
| 総返済額 | 金利次第で抑制 | 金利次第で増加 |
| 自己資金 | 現時点の貯蓄額 | 数年間で増加余地 |
| 家計への影響 | 早期に返済開始 | 家賃負担と両立 |
実際の購入タイミングを考えるうえでは、金利水準だけでなく、年齢や家族構成、勤務先や収入の安定性といった個々の事情を重ね合わせて検討することが欠かせません。
例えば、子どもの進学や転勤の可能性、老後資金づくりの開始時期など、今後10〜20年のライフイベントを整理し、それぞれに必要なお金と時期をあらかじめ見通しておくことが重要です。
そのうえで、変動金利で当面の返済額を抑えるのか、全期間固定型で将来の金利上昇リスクを避けるのかなど、自分たちの家計が安心して耐えられる範囲を確認しながら金利タイプと借入額を決めていくとよいでしょう。
こうした整理を行うことで、「金利がどう動くか」だけに振り回されず、自分たちにとって納得度の高い購入タイミングを見極めやすくなります。

資材高騰・人件費上昇が建築費に与える影響
近年は木材や鉄鋼などの建築資材価格が上昇傾向にあり、住宅建設にかかるコストが高まりやすい環境が続いています。
特に、いわゆるウッドショックと呼ばれる世界的な木材需給の逼迫や、円安による輸入価格の押し上げが影響しています。
さらに、建設現場の人手不足に伴う人件費の上昇も加わり、総合的に建築費は下がりにくい構造になっています。
そのため、マイホームの購入を検討する際には、資材と人件費の動向を切り離さずに考えることが大切です。
資材価格や人件費の高騰は、まず新築住宅の本体価格に反映されやすくなります。
同じ間取りや延べ床面積であっても、数年前と比べて建築費の水準が高くなることで、販売価格が上がる傾向があります。
また、内装や設備のグレードを上げるオプションについても、資材単価の上昇分が価格に転嫁されやすくなっています。
結果として、予算内で選べる仕様やオプションの幅が、以前よりも狭く感じられることがあります。
今後の資材価格については、一時的な変動はあっても、短期間で大きく下がることを前提とするのは危険です。
人件費の上昇や省エネ基準への対応など、構造的にコストがかかりやすい要因が重なっているためです。
そのため、価格が下がるまで待つという考え方だけに頼ると、金利や家賃負担の継続など、別のコスト増加リスクを抱える可能性があります。
マイホームを検討する際は、建物本体だけでなく、土地代や諸費用も含めた総予算の配分を明確にし、どこに優先的にお金をかけるかを整理しておくことが重要です。
| 項目 | 現在の傾向 | 検討時の着眼点 |
|---|---|---|
| 建築資材価格 | 上昇・高止まり傾向 | 仕様変更での調整余地 |
| 人件費 | 人手不足による上昇 | 工期や工程の合理化 |
| 総予算配分 | 本体価格比重の増加 | 土地・諸費用とのバランス |
今は買い時か?金利と資材を踏まえた判断軸
マイホームの購入タイミングを考える際は、「金利」「建築費」「家計・ライフプラン」の3つを切り離さずに整理することが大切です。
住宅ローン金利は今後の返済総額に直結し、建築費は同じ間取りでも予算を押し上げる要因になります。
一方で、家計や働き方、家族構成の見通しが安定していれば、多少の金利や建築費の変動を吸収できる場合もあります。
このように、市況だけで「買い時かどうか」を判断するのではなく、自分の暮らし全体とのバランスを見ることが重要です。
次に、今の市況で購入を検討する人が確認しておきたいのは、将来の金利変動にどこまで備えられるかという点です。
具体的には、返済額が増えた場合に耐えられる返済比率か、ボーナス返済に過度に依存していないかを点検する必要があります。

あわせて、頭金などの自己資金をどの程度出しても生活予備費や教育資金を残せるか、購入後も継続的に貯蓄できるかを確認しておくと安心です。
こうした事前確認を通じて、金利や建築費が変動しても家計が破綻しない範囲での予算を把握しやすくなります。
さらに、新設住宅着工件数が低水準で推移し、資材や人件費が高止まりし、金利も上昇傾向にある局面では、「今は買わない理由」ばかりに目が向きやすくなります。
しかし、賃貸に住み続ける期間が延びれば、その分の家賃負担や老後の住まいの不安は残り続けます。
そのため、自分にとって無理のない買い時かどうかを、年齢や定年までの年数、家族のライフイベントなどと一緒に整理することが大切です。
下の表のような視点で一つずつ確認し、総合的に見て納得できるタイミングかどうかを検討すると良いでしょう。
| 金利面の確認 | 建築費・物件面の確認 | 家計・ライフプラン面 |
|---|---|---|
| 返済比率と将来余裕 | 総額とグレードの妥当性 | 現在の収支と貯蓄余力 |
| 金利上昇時の負担試算 | 建築費高止まりの許容度 | 教育費や老後資金との両立 |
| 固定と変動の選択方針 | 間取りや仕様の優先順位 | 転勤や転職など将来予測 |
まとめ
新設住宅着工件数の低水準、金利上昇、資材高騰が重なり「今は買い時なのか」と迷う方が増えています。
しかし大切なのは、市況だけでなく「家計」「ライフプラン」「住宅ローンの選び方」を整理し、自分にとって無理のないラインを見極めることです。
当社では、金利タイプ別の返済シミュレーションや予算診断を行い、今買うべきか待つべきかを一緒に検討します。
マイホームの購入タイミングでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
山口 勝
ヤマグチ マサル
保有資格
- 宅地建物取引士
- 損害保険募集人
ベストハウスは藤岡市、高崎市、玉村町、上里町、神川町に特化した地域密着の不動産及び住宅会社です。
お気軽にお問合せ下さい。
